まみずハルカの文章

まみずハルカが綴るエッセイポエム小説日常詩〜

ズッキーニ

ズッキーニの煮浸しは、あの時の食事風景が脳裏に浮かぶ。

いつの間にか受け継いだ味。教えられてないのに、自分の舌に従ったら行き着いた味。

多めにいれたオリーブオイルと香りづけの鰹節。

自然と手にした量がぴったしの味になるのが不思議。

頻繁に出てきたメニューじゃない。季節も限定で、スーパーでもあまり売っていない。

それでも覚えている。いや、思い出したあの味を。

たまたま今日、目に止まったというタイミング。

夜のこの時間にお腹が空くというタイミング。

肉が入ったその料理。メインはもちろん、ズッキーニ。

緑の丸がなくなるその瞬間、一抹の寂しさと高揚感が同居する。

いつかまた夏が来た時、完璧なタイミングで出会えるはずだ。

その時まで、舌の奥の奥で眠っていてね。