まみずハルカの文章

まみずハルカが綴るエッセイポエム小説日常詩〜

意識の程度

家から帰ると、クーラーがついていた。正確に言うと、つけっぱなしにしていたのだ。今までは、そんなミスをするような「うっかりさん」ではない。

歯車が狂うという言い回しはかっこいいが、少しおおげさかもしれない。ほんの少し今までの自分と違う感覚がする。側から見ると「気のせい」レベルだろう。しかし、分かる。自分の微小な違いは自分が一番察知できる。

 

なぜ私は、変わったのだろう。あの本を読んで、あの空気を吸って、あの人に出会ったからだろうか。決定的な理由が認識できない。認識しなくても、生きていける。人と人とを分けるものは、それでも認識しようとするかそれとも何事もなかったように覆い隠すかなのだろう。追い求めることに必死になって、視野が狭くなっておかしくなる人もいる。追い求めることを放棄して、死んだ目で彷徨っている人もいる。

 

「自己変革」「スキルアップ」「自己成長」美しい言葉が踊り、人々を鼓舞する。良い変化も悪い変化も自分の認識フィルターを通して、衝撃を与える。良い面を見て悪い面も見る。それぞれを100%で見て合計200%にして、バランスを取ろうと躍起になる。中途半端な自分を認たくないのは、他人を見るから。考えすぎて盲目になっていた私がいた。思考停止して、うずくまる私もいた。どちらもよくない。40%から60%が人間らしい変化が得られそうだ。

 

家から出る時、クーラーを消していた。意識的にというには大げさで、無意識というのも大げさだ。その中間くらいの感覚でクーラーを消して、暑い日差しの中で美味しい空気を吸う。