まみずハルカの文章

まみずハルカが綴るエッセイポエム小説日常詩〜

睡眠とわたし

幼少の頃、「今日はずっと起きてる」と決め込んで窓の外を眺めていたことがあった。

暗い部屋の中でも部屋中のものを見ることができる。目の前に色とりどりのきららが舞っていた光景を今でもはっきり覚えている。目的はない。でも、体を起こして目を開けていたいという欲求。最後には、必ず眠りに落ちる。

 

そのあとの10年以上は、寝るという欲求を最優先事項にして生きていた。「寝る」ということは絶対的正義で、それを否定するという思考回路がなかった。受験勉強も、睡眠時間を減らすことはしなかったし休日であれば、「眠い」と感じたらすぐに寝た。このせいで、寝すぎて眠いという状況を何度も繰り返した。

 

人よりも眠いという欲求がおそらく強い私だが、ここ最近「寝たくない」という思いが増幅している。寝るのがもったいないという感覚だ。時間は有限であるという思考が強迫観念のように自分を急きたてているからかもしれない。体は疲れていて、心も疲れているはずなのに自分の観念だけが1人歩きしてベッドに入らない。代わりに寝れなくなるような動画を再生してみたり、音楽を爆音で流して見たり、室温を下げてみたりいろんな手法で自分を起こそうとする。

 

次の日になりたくないという思い。今日のこの時間が続いて欲しいという思い。この二つが私の異常行動を産出させる。

 

死ぬのが怖いのはずっとある。それを細分化させたのが時間経過への恐怖。でも、寝たくないというのは死を意識しているわけではない。単純に自分だけの空間自分だけの時間を味わいたいだけなんだ。時計の時間、他人のスピード感を離れられる束の間の時間をちゃんと感じたいのだと思う。いつの間にか稀有になってしまったそんな時間を。