まみずハルカの文章

まみずハルカが綴るエッセイポエム小説日常詩〜

いつかの花火

信じられないほどアナログな花火を見に色々な人がやってくる。

夫婦に連れられた小さい子。

それの大きさや色を説明する子。

ベビーカーでスヤスヤ眠る子。

「トイレ行きたい」と連呼する子。

 

浴衣を着た中学生は、花火そっちのけで足を急がせる。

屋台で食べ物を買うイベント感。

キラキラと光っているライト。

一人で来ているサラリーマンの後ろ姿は全く寂しそうではない。

静かに、それを凝視する。

 

金髪のお姉さんはスマホ片手に動画撮影。

連写音が鳴り響くというミス。

 

共有している唯一の時間。

デジタルに侵食された世の中なのに未だ残る夏の鑑賞会。

生産性がなく、目が奪われるほどの綺麗さではない。粗い。

こんなにも歪な形なのに、みな花火に顔を向けては穏やかな顔になる。

 

今までで一番大きい花火。海に咲く花火。

深呼吸しながら見れる贅沢なものだった。